サウナを知りつくしたプロたちが訪れる おとなの秘密基地「GoMe」

サウナを知りつくしたプロたちが訪れる おとなの秘密基地「GoMe」

沖縄県恩納村。自然が織りなす美しい景色を持つリゾート地に、ガウディ建築を彷彿とさせる外観のサウナ「THE ZEN(ザ ゼン)」がある。

カフェバーや宿泊などを兼ね備えた「GoMe(ゴーミー)」の敷地内でも一際目を引くこちらのサウナは、袋に混合土を詰めて積み上げる「アースバッグ工法」によってつくられた日本初、世界初のサウナだという。

アースバッグサウナならではのととのいを貸切で堪能できるとあって、全国のサウナ好きやサウナ関係者が次々と訪れるこの遊び心溢れる施設の立役者でもあり、アースバッグサウナビルダーとしても活躍中の除村 亮(よけむら りょう)さんに話を聞いた。

除村 亮(よけむら りょう)さん
GoMeイベント担当。東京と沖縄を行き来しながら、GoMeの企画運営に携わる。
10代の頃から銭湯のサウナを楽しんでいたというほどのサウナ好き。複数の肩書きを持ち、アーティストのマネジメントやアースバッグサウナビルダーとして全国を飛び回る。

全国の面白いメンバーが集まって自分たちのアジトをつくったのがはじまり

ーサウナ開業の経緯を教えてください。

東日本大震災でのボランティアや、沖縄での出会いをきっかけに知り合った全国の「面白い人たち」を中心としたメンバーで、「自分達のアジトを作ろう」と始めたのがきっかけ。 

GoMe(ゴーミー)の名前の由来は、当初集まったメンバーがみんな昭和53年生まれだったからなんですけど、この場所が那覇空港から53キロだったり、琉球王国の猛将、護佐丸(ごさまる)の語呂に合っていたり、偶然にも不思議な縁でこの名前に決まりました。

大好きな沖縄にアジト的なお店を作ろうとカフェバーを作ったのが最初で、大工チームメンバーを中心に、沖縄に住んでいる人、県外から沖縄に通う人で仕事の割り振りをしながら内装も全部手作りで完成させました。

カフェバー開業後、友達がたくさん来てくれて、そのまま泊まりたい人向けにドミトリーと個室とキャンピングカーを用意して宿泊施設も始めたんです。

スタッフ2名くらいで運営しているとめちゃくちゃ大変で疲れちゃって(笑)。
サウナ好きのメンバーと「自分たちが入る専用のサウナを作ろう」って、敷地内に手作りサウナを作ったんですよ。そしたら噂が徐々に広まって「サウナに入りたい」ってお客さんが何組もGoMeに来たんです。 

THE ZEN開業のきっかけにもなった「カリン湯」


そんな経験からサウナ施設のニーズを肌で感じていた中で、コロナの影響による打撃もあり、助成金を活用して起死回生の一手として開業したのがアースバッグサウナ「THE ZEN」です。

名前の由来は「座禅」からきています。
サウナってひとりで入るからこそ、悩んでる答えが見つかったり、アイディアが浮かんだりすると思うんですよね。自分と向き合う場所、禅業の意味を込めてこの名前にしました。

知れば知るほどはまるアースバッグサウナの魅力とは

ーアースバッグサウナの特徴や施設の魅力はなんでしょうか。

サウナを作るときに、アースバッグ工法という建築方法を知って「この土地や自然にマッチしていいんじゃない」と言って始めたものの、当時アースバッグサウナの前例がなかったんですね。土の性質上、熱伝導率が良くないからどうなるんだろうと思いながら作って、完成して入ったらめちゃくちゃ気持ちが良くて。

詳しい人に話を聞いたら、アースバッグドームの構造上、遠赤外線効果による輻射熱(ふくしゃねつ
)が通常の何十倍にもなっていることがわかったんです。
蓄熱による保温効果も高く、サウナ好きの人も「GoMeで入る時の汗の量がちがう」ってびっくりされます。蓄熱と汗の量はうちのサウナの特徴です。

他にもここのサウナの特徴として面白いのが、ロウリュ。
ロウリュの後みんなタオルをふりたくなると思うんですけど、あえてうちではじっと座って、3メートルある天井から降りてくる蒸気の「スピード」や「線」を感じてもらいたいですね。

檜の薪を使ったストーブに龍神様からの湧水をかけるのも「THE ZEN」の楽しみならでは

子どもの頃のように原始的に楽しみたい

水風呂は屋外にあるんですけど、沖縄という場所柄、真夏にはどうしても水温が上がってしまうんです。

お客さんには大きな容器に入った氷をお渡ししているので、その氷を抱きながら水風呂に入ってもらってます。その氷が溶けたら容器の中の水をかぶってもらったり原始的な楽しみ方を見つけて楽しんでもらえたら、と思っています。

最初に作ったサウナの屋根の上にデッキがあって、そこがととのいスペースになっているので、その沖縄の海や満点の星を見ながら外気浴もできます。

ーGoMeはどんな人に来てもらいたいですか。

サウナ好きな人に来ていただいて、他のサウナとのちがいを知ってほしいですね。アースバッグならではの特徴ってそこまで温度を上げなくても蓄熱効果でたくさん汗をかきますし、熱が丸いというか、とげとげしてないんです。

アースバッグサウナに入って「最高です」って言葉をもらったら、やってる側としてもめちゃくちゃ嬉しいです。 

ー今後サウナ業界に期待することはありますか。

今、アースバッグサウナがどんどん増えてきていますけど、もっと増やしていきたいですね。
自分自身がアースバッグサウナビルダーとして全国に広めていけるっていうことも今後の楽しみです。

今、サウナブームもあってサウナ施設がいっぱいありますよね。
このブームが終わっても、以前よりサウナが下火になることはないだろうけど、 たぶん全部の施設は残らない。

ラグジュアリーなサウナだけじゃなく、銭湯レベルでも本当にいいものが残っていって欲しいですし、日本人の生活にサウナが取り込まれることがだいぶ増えてきてるから、もっと気軽に入れるようなサウナがいっぱいできたらいいと思います。

もっとサウナが身近に感じられるような、「暑いからプール行く」感覚にサウナもなっていったらいいですね。

ー今後のGoMeの取り組みについて予定していることを教えてください。

今は1日2組限定貸切として運営してますが、今後3組まで枠を増やすことを検討してます。

沖縄にある他のサウナ施設と一緒に「沖縄サ旅」として、沖縄県内のいろんなサウナ施設を楽しめる企画も進めています。

常識にとらわれず大人たちが全力で遊べる場所

除村さんの話を聞き、日々の暮らしの中でいつの間にか体裁や世間の常識にとらわれて窮屈になっている自分に気付かされた。

子どもの頃に誰しもが夢見た秘密基地。
大人になった今だからこそ童心にかえって全力で遊んびたい。

GoMeは、私たちが忘れかけていた子どもの頃のワクワクを全力で体験できるアジトだ。

 

GoMe

住  所/〒904-0416 沖縄県国頭郡恩納村山田2816

営業時間/月、水、木、金、土、日曜日
     16:00~21:00の完全貸切制   

H        P/ https://www.go-me53.com/

サウナタイプ

屋外タイプ、貸切サウナ
サウナ温度:90~95℃

サウナストーブ
メーカー/ KASTOR 薪ストーブ
ロウリュ/あり(セルフロウリュ)
水風呂
水風呂あり
水風呂温度:
冬16℃、 夏20℃(氷で水温調整可能)
外気浴
ととのえチェア/あり

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