果てしなく続く海岸線、目の前には空と海の青さだけ。そんな景色が広がる宮崎県宮崎市、青島複合型リゾート「AOSHIMA BEACH VILLAGE(以下、ABV)」が開業して約1年が経った。

ABV敷地内には、住宅であり宿泊施設としても利用可能な「NOT A HOTEL」や、レストラン・BBQエリアの「LDK」があり、屋外にはバレルサウナも併設されていて予約をすれば誰でも利用できる。

官民一体の事業として開業にいたった経緯から、ABVの現在、そして未来とは。
ABVのプロジェクトマネジメントを担当された、NOT A HOTEL株式会社 建築部マネージャーの綿貫 將(わたぬき たすく)さんに話を聞いた。

青島に新しい憩いの場をつくりたい

ー開業の経緯について教えてください。

青島にあったホテル跡地の再開発を目的とした宮崎市実施の公募に、宮崎出身のNOT A HOTELの社長(当時株式会社アラタナ社長)である渦(はまうず)を中心としたメンバーで応募したことがきっかけで始まったプロジェクトです。

ABVの敷地が国定公園内にあることや公募型事業ということもあって、宮崎県や宮崎市といった行政の応援や後押しをいただきながら、プロジェクトに携わってくれた民間企業も含め、官民一体となって「青島に新しいビレッジをつくって盛り上げよう」と進めてきました。

プロジェクト発端から5年を経て竣工した時は感極まるものがありました。

 

ー開業にあたってどんな構想があったのでしょうか。

ABVは目の前に気持ちのいいビーチが広がっている最高のロケーションです。
僕らの開発する土地と、この美しい海岸をシームレスにつなげるために、最小限の建物で最大級の自然を生かしていくことに注力しました。
ビーチから直接ABVにアクセスできるポイントもところどころに設けています。

宮崎はサーフィンや、スケートボードといった文化が根付いているので、そういったアクティビティの後にお酒を交わすような、地域のみなさんの憩いの場でありながら、県外の青島になじみのない方が青島の魅力を知って、旅行にくるきっかけになれば、という思いで進めてきました。

 

ー開業後の印象や反響はいかがですか?

県外から若い世代の方が来てくれたり、地元の方が家族連れでレストランで食事をしていたりと、国内外から幅広い年齢層の方にご利用いただいています。

「最高だね」というお褒めの言葉をいただいたり、来ていただいた方が青島を楽しんでいる様子を見ると、「このプロジェクトをやって本当によかった」と心から思いますし、作り手である私たちにとって何よりも嬉しい瞬間です。

 

サウナのある空間で非日常の体験を届ける

ーNOT A HOTELの部屋と屋外にもバレルサウナが設置されてますが、サウナを導入したきっかけについて教えてください。

ワクワクする体験や非日常感を提供するための手段のひとつとして、NOT A HOTELの事業ではサウナが重要な役割を担っています。

たとえば、青島のNOT A HOTELの「CHILL」という客室は、目の前がビーチというロケーションを生かして、全面ガラス張りのサウナを設置しました。
青島の海岸全域を見ながら
ととのえるような最高の空間をデザインしています。

ー屋外のバレルサウナについて教えてください。

通常サウナは室内にあるものですが、今回屋外にサウナを設置するにあたって、「自然の中に調和した空間づくり」を意識しました。
バレルサウナの材質や形状、コンセプトも含めて、自然の中に溶け込む唯一無二の存在として、数あるサウナの中からONE SAUNAのサウナを選びました。

客室内のサウナもそうなのですが、サウナエリアに焚き火ができるスペースを作っています。
水を見たり、火を見たり、景色を見たりといったプリミティブ(原始的)な体験は、人生を豊かにするものだと思うんです。
サウナに入る時はスマートフォンなどのデジタル機器から離れて、内に目を向けて、非日常的なサウナ体験をしていただけたらいいなと思います。

みんなに愛される青島を後世にも残していきたい  

―最後に、サウナ業界に期待することと、ABVの今後について教えてください。

非日常的なサウナ体験は、日々の疲れを洗い流すだけでなく、感情にリンクしていくプログラムだと思います。
日常では体験できない、人生が楽しくなるような魅力的な場所が各地にできるといいな、と思います。 

このプロジェクトに携わった当初から大事にしたいと思ってるのは、その土地の住民の方や、これから携わろうとする関係者の方、いろんな人たちが共鳴して、みんなに愛される新しい場所が生まれていく、応援してもらえるような開発をしていきたいということ。

この青島という魅力的な場所を後世にもしっかり残していけるような運営をしてまいります。

過疎化が進み、コミュニティや生活の維持が難しくなる地域が増え続けている現代において、その土地や文化を維持していくためにはアップデートは必要不可欠だ。

サウナというコンテンツを通して、人とのつながりを生み出すヒントがここにはあった。

AOSHIMA BACH VILLAGE

住所/〒889-2162 宮崎県宮崎市⻘島2丁目241-1

料金/【客室内サウナ】宿泊者のみ利用可能
   【サウナ、プールエリア】GUEST ¥4,400(CHILD ¥2,200)
   ※6歳~12歳まで保護者同伴で利用可能。5歳以下は入場禁止
   ※貸切でのご利用ではございません、貸切ご希望の場合はお問合せください

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