新千歳空港から車で1時間半。エゾジカやキタキツネなどの野生動物が暮らす大自然、トマム。そこにニョキッと現るタワーが今回のディスティネーション。北のプライベートサウナで「ととのい」以上に得たものとは?

いつでも、好きなだけ

北海道・トマムは、世界レベルのパウダーを求めて冬にスキーヤーやスノーボーダーが集まるのはもちろん、春夏秋シーズンも日本各地からのツーリストでにぎわう。彼らのお目当てはここ、「星野リゾート リゾナーレトマム」だ。1,000ヘクタールの広大な自然に囲まれた北海道最大級の滞在型リゾートで、その広さは東京ドームおよそ213個分。

敷地内には最大約20店舗のレストランやインドアウェーブプール、スパなどの施設が充実するほか、広大なファームエリアでの自然体験やハイキング、熱気球など、一回の滞在では遊び尽くせないアクティビティがたっぷりと用意されている。

「いやいや、サウナーにそんなアクティブな動きは要りませんので」なんて思うなかれ。なんとリゾナーレトマムの全客室が、100平米以上のスイートルーム。そして、すべてがプライベートサウナ&展望ジェットバス付き!

バスルームの扉を開ければ、テンションは一気に急上昇。それもそのはず、“おひとりさま”でのんびりと入れるサウナルームの目の前には、大きくラグジュアリーなジェットバスが鎮座。しかも高さ3mの窓の向こうには、トマムの森が悠々と広がる。まわりからの目線もなく、ハダカで汗をかき、ハダカで浸かって、ハダカでととのうことができるというワケ。はやる気持ちに正直に、チェックイン直後さっそく1セット嗜むのが賢明だ。

木の香りが芳しいサウナ室には、コンパクトながらパワフルに働く電気サウナストーブが置かれている。誰にも気兼ねなく温度調節ができるのは嬉しい限り。熱すぎるサウナが苦手な人にも良いだろう。こじんまりとした室内なので熱がまわるのも早く、ロウリュはできないが、体を湿らせて入れば十分に湿気は行き渡る。

全身がくまなく温まったら、いざ展望ジェットバスへ! もちろんサウナに入る前に、バスタブにめいっぱい水を張っておくのは言わずもがな。足を伸ばして肩まで浸かれる広さゆえ、リラクゼーション度はケタ違いだ。さらに、頭までジャブンと浸かれるのも、プライベートサウナの醍醐味。北国ならではのキンキンに冷えたピュアな水が、毛穴一つ一つに吸い込まれていくような感覚だ。

水風呂後のととのえタイムは、大きなベッドに体を沈めるもよし。大パノラマを臨む広いリビングルームで横たわれば、外気浴さながらの開放感も味わえる。好きな時間に好きなだけ。至福の時間を滞在中に何度でも堪能できるのだから、こんな贅沢はほかにない!

冴え渡った五感をたしかめて

ここまででも大満足だが、リゾナーレトマムには、旅好きな“サウナトラベラー”を喜ばせるトピックが溢れていることを忘れてならない。サウナによって取り戻した五感で楽しむ、ここでしか出会えない数多の体験が待っているのだ。

まずは味覚をたしかめに行ってみよう。リゾート内で味わえるグルメの豊富さは、特筆すべきものがある。たとえば、ビュッフェスタイル「森のレストラン ニニヌプリ」では、サーモンやイクラを好きなだけトッピングできる「なまら海鮮丼」に舌鼓を。夜は「肉フェア」で北海道名物のジンギスカンや牛肉の鉄板焼きなどを一度に味わうことができる。

さらに、イタリア料理レストラン「OTTO SETTE TOMAMU(オットセッテ トマム)」では、北国の旬な食材を生かした独創的で美しいコース料理をいただける。見た目にも華やかな美食が、冴え渡った視覚に働きかける訴求力は相当なものである。

そして視覚は、森が創るコントラストやどこまでも続く牧場の地平線など、自然の美しさまでも感受する。木々のざわめき、森に生きる動物たちのささやきは聴覚を、やわらかな牧草は触覚を、芳醇な森の香りや丁寧にセレクトされたワインは嗅覚を刺激する。冴え渡ったままの五感を、一つのリゾート内で全方位的にたしかめられるのだから、サウナトラベラーにとってのパラダイスと言っても過言ではない。

効率さえも運んでくる

リゾートステイしながら仕事する、いわば“ワーケーション”だって叶えられる。たとえば客室でサウナを堪能した後、ノース棟30Fにある「絶景オフィス」でデスクに向かうのもいいだろう。雄大な山景色を前に思考もスッキリ、ポジティブな感覚で仕事に臨めるに違いない。

オンラインミーティング用の電子機器を借りることも可能。もはや自宅での仕事環境よりも快適!? と感じずにはいられない、充実のアイテムが味方となってくれる。

サウナとデスクを自由に行き来したいなら、内気浴用のデッキチェアや飲料水が用意された専用客室がおすすめ。デトックスした後の仕事効率の向上は、サウナ愛好者であれば当然知るところ。心身が求めたときにいつでも、オンとオフをシフトチェンジできる絶好の部屋というわけだ。

必ずしておきたいのは「朝ウナ」

最後に、「ここに来たら朝ウナは外せない」ということを力説しておきたい。というのも、ここトマムでは、早朝にしか見られないダイナミックな雲海が待ち受けているのだ。手が届きそうな距離にふわふわの雲のじゅうたんが広がるシーンは、とても幻想的。眠い目を擦ってでも、標高1088mの雲海テラスは目指したいところだ。

そうして都会では決してできない感動体験を味わったあとは、客室に戻っていざサウナへ。冷えた体を熱がゆっくりとほぐし、1日のはじまりにグッと活力を与えてくれる。格別な朝ウナなくして、リゾナーレトマムのサウナは語れないのだ。

滞在中、こうしていろんな時間やタイミングでサウナを味わったら、“サウナの習慣化”がきっと体に染み付いてしまうだろう。いや、それでよし。サウナトラベルは、日常に健康を生み出すためのブースターなのだから。

星野リゾート リゾナーレトマム

TEL/0167-58-1111
住所/北海道勇払郡占冠村字中トマム
営業/サウナ付き客室は宿泊者のみ利用可
         チェックイン15:00、チェックアウト11:00
         無休(4月、11月にメンテナンス休館あり)
料金/(宿泊)2名1泊 2万1900円~ HP/https://risonare.com/tomamu

サウナタイプ
プライベートサウナ
サウナストーブ
メーカー:TYLOHELO(ティーロヒーロ)
ロウリュ:なし
水風呂
温度調節可能
外気浴
眺望:トマムの森の大パノラマ
株式会社LIBERTYSHIP
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