北海道の真ん中に位置する旭川。え、出張でしか行ったことない? 雪山への経由で? そんな方は旭川の楽しみの半分も知らないはず。だってここには、とびきりのサウナカルチャーがあるのだから。

旅の拠点は「OMO7旭川」

北は稚内、東は網走・知床、南は富良野・美瑛と、道内各所に好アクセスな旭川だが、「旭川に長めに滞在したい!」と思わせる場所があるのをご存知だろうか。それが「OMO7旭川」。星野リゾートのブランドで、「旅を楽しむ」という視点から様々な仕掛けが施された新形態ホテルだ。土地の風土やカルチャーをキュレーションして過ごし方を提案するという、旅人たちの強い味方となっている。

ロビーに入ると、北海道を代表する樹種の白樺をイメージしたオブジェが出迎える。その先には、白い木肌を特徴とした「旭川家具」が並び、手前から見ると、木が木材となり加工されて家具になるまでの工程をイメージすることができる。

チェックインを済ませ、壁の蛇口から捻り出すアッサムティーで喉を潤したら、いざ地下の楽園へと向かおう。(時期によってドリンクの中身が変わるというのも面白い!)

お目当ては地下に

SAUNA TRAVELが「OMO7旭川」を旅の拠点に推すのにはワケがある。それは、宿泊者だけが利用できる極上の「サウナ プラトー」があるから。この昭和チックなネーミングがもうソソるじゃない。そしてもちろん、期待を裏切らない空間がサウナトラベラーたちを待ち受けているのだ。

まずは入り口で「ととのい方」を把握しよう。ここでは、バブルバス→サウナ→水風呂→内気浴→歩行浴→ラウンジというのが基本の流れのようだ。サウナシーンではあまり聞き慣れない「歩行浴」という言葉に出会い、これからはじまる時間に期待がますます膨らんでしまう。

おお、神聖芸術的とでも言おうか。広い浴場の真ん中に佇む街灯や窓のステンドガラスなど、レトロな趣きをムンムンと醸している。後ほど歩行浴で入るのであろう「ウォーキングバス」は煌びやかにライトアップされ、まるでプールのように大きい。はじめにバブルバスで体を湯通ししたら、いざサウナへと入室だ。

どっちがお好き?

サウナはミストとドライの2種類。まずは湿気を求めてミストサウナへと入ってみた。室内は、轟音を響かせながら細かい粒子のミストが大量に放出され、熱気は十分。ジョワ〜とベンチの足元から熱いスチームが立ち登り、これでもか!とサウナーたちを蒸していく。視界が蒸気で曇り渡る中、気づけば大量の汗が吹き出している。

L字型ベンチの座面と足下には冷たい水が流れ、熱さの中で同時にひんやりも感じられるという構造に。ジャグジーですでに体が温まっているので、熱いだけの空間に長くいるのは耐えられなさそうだが、これなら心ゆくまで堪能できるというわけ。

水風呂はサウナ室から出てすぐのところに位置し、動線もバッチリ。15度前後に冷えた水は、羽衣が壊れないくらいの絶妙なジェット水流によって、水温以上の冷たさも感じた。やがて浴場内の椅子に座って内気浴をすると…キタキタ、心のつかえは取り除かれ、体はぽわんと軽くなっている。

ここで2セット目に向かいたいところだが、そうだ、ウォーキングバスという寄り道が待っていたんだ。なんでも体験!と、31度前後と低温のバスに入ってみる。すると、プールように広い水の世界が実に開放的…。さらに、ととのった状態で浮遊する脱力感がたまらなく気持ち良い…。ゆっくりと水の中で歩くと、動く感覚が蘇っていることを、細胞レベルで感じることができた。

2セット目はドライサウナへ。北の風土を薫らせるノルディックな造りで、丸太の梁が天井を巡らす美しい内装だ。フィンランド式ストーブを横目に進んだ先には、2段座面と対面座面があり、おすすめのポジションは壁に吊るされた芳醇な乾燥ヴィヒタの真下。約90度の室内で大量の汗をかきながら、至福のリラクゼーションに身を預けることができた。

楽しみ尽きないアフターサウナ

サウナを出たら、広いラウンジでひと休憩。アイスキャンディーを頬張りながら休むもよし。たくさん用意されているサウナ関連の本を読みふけるのもよし。ここにいるだけでサウナ知識が豊富になりそうだ。

また必ずチェックしたいのが、旭川プロサウナーによる「サ飯マップ」。実のところ、旭川は道内から新鮮食材が集まり「北の台所」と呼ばれるほどの、食の宝庫だ。約2,000軒の飲食店があり、サ飯の選択肢も無限大!「ゆずねぎ塩ラーメン」や「とりの燻製」などの地元グルメを堪能しに行こう。

そして、ホテル内のサウナとしての1番の醍醐味は、部屋でゆったりと滞在しながら、何度でも入れること。客室はベッドを居間のようにして過ごせるインテリアで、カップルでもグループでも、もちろんシングルでも気ままにくつろげる。

旭山動物園でダントツ人気のアニマル、シロクマをテーマにした客室は女性に人気。え!? と驚くところまでシロクマモチーフが隠れているので、何頭いるか探してみるのも楽しそう。サウナとシロクマのW癒し効果で、至福の旅になりそうだ。

また女性ウケといえば、ホテル内の「OMOカフェ&バル」では、ルックスも可愛いデザートを堪能できる。聞けば、北海道ではお酒の〆(シメ)に「〆パフェ」を食べるのもスタンダードなカルチャーなんだとか。男性諸君も恥ずかしがらずにレッツトライ♡

ちなみにスーべニールのチェックも忘れずに。ヴィヒタやサウナハットなど、すぐに使えるサウナグッズが用意されているのでとても便利だ。サウナハットは地元のアウトドア用品ショップ「MICHI-HITO」さんとのコラボレーション。帆布製なので断熱性が高く、洗って繰り返し使える優秀アイテムだ。(レンタルもあり)

サウナで気持ちよくなるのはもちろんのこと、サウナを介して、これまで見逃していた場所や物、人に出会う。サウナトラベルの恩恵はそんなところにあるんだと、改めて実感する旅となった。また行こうっと!

星野リゾート OMO7旭川「サウナ プラトー」

TEL/0166‐29‐2666(宿泊予約)
住所/北海道旭川市6条通9丁目
営業/15:30〜24:00(最終受付23:30 / 年中無休)
         ※宿泊者のみ利用可
料金/宿泊者限定につき無料
HP/https://omo-hotels.com/asahikawa/

サウナタイプ
ドライサウナ、ミストサウナ
サウナストーブ
ロウリュ:なし
水風呂
温度:約15度
タイプ:水掛け流し、ジェット水流
内気浴
整えチェア:あり
ラウンジ:あり
株式会社LIBERTYSHIP
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