JUMBLE TOKYOで見たウェルネスマーケットの今とこれから vol.2

JUMBLE TOKYOで見たウェルネスマーケットの今とこれから vol.2

Vol.1に続き、巨大展示会「JUMBLE TOKYO(ジャンブル トーキョー)」をオーガナイズするお二人と、サウナを含めたウェルネス産業のゆくえについてお話してみよう。今なにが必要とされ、本質的な発展にはなにが必要なのかを紐解く。

JUMBLE TOKYO
2004年秋、アパレルブランドを中心にした合同展示会としてスタートし、毎回テーマに沿って出展ブランドをセレクト。”ごちゃまぜ”の語源の通り、様々な世界観を提供し続け、東京とパリで開催している。
https://jumble-tokyo.com

北田真二
NF Consulting inc.代表取締役
JUMBLE TOKYO事務局代表

佐藤 香菜
ブランディング・ディレクター
JUMBLE TOKYO ウェルネスマーケット統括

サウナで生まれる探究心

― 今回のJUMBLE TOKYOでは、サウナ関連グッズも豊富に展示されていましたね。

佐藤:そうですね。「サウナで使える」「自宅でサウナと同じような効果をもたらす」という双方向から、注目していただきたいブランドさんに参加のお声がけをしました。たとえば「HUKKA DESIGN」のサウナストーンは、サウナストーブの上に置いても使えるし、日常の中でふとした時にコリを和らげるマッサージストーンとしても使えるんです。

また、「QINO SODA(キノソーダ)」という樹液の蒸留水でできたソーダブランドも出展されました。木の香りを堪能できる味わい、ということで、多くの来場者が興味をもって試飲されていましたね。「QINO SODA」は、国産のクロモジが廃棄されゆく現状を見て、その再活用をしたいという思いからスタートされたブランドなんです。自然と循環するという理念は、まさにサウナとの共通点ですよね。

― サウナ文脈で見ると、まだまだ魅力的なブランドやグッズがありそうですね。

北田:サウナカルチャーに足を踏み入れると、サウナだけじゃなく、いろんな分野のアイテムやカルチャーを知るきっかけになりますね。だからこそサウナは、趣味や健康法という点のみならず、ライフスタイルとして定着できると思うんです。

ただ当然のことなんですが、田舎のほうが都会に比べて自然環境がいいじゃないですか。「あ〜、自然に還りたいなあ」なんて思う必要がない。ということはつまり、サウナカルチャーを求めているのは、自然との距離が遠い都会人なんです。その彼らに、サウナ関連のブランドがどうアプローチしていくのかが、今後のサウナ文化進展のカギとなると思います。商業施設で単にサウナイベントやコーナー展開をしても、そこにストーリーがないと効果は難しいと思うんですよね。

佐藤:コスメ市場でも同じく言えることですが、期間限定でポップアップ展開しても、いざそれが終わったら「どこに行けばいいの?どこで買えばいいの?」とお客さんが困惑してしまう。「流行っているから」というだけで、一端のみを取り上げるのは無責任だし、本質的な結果にはつながらない。商業施設でサウナイベントをやるにしても、ブランド側も施設側も同じ情熱でそのモノの良さを知り、語り、期間を終えた後のストーリーまでも描いておく必要があると思うんです。

北田:やっぱり体験しないとわからない部分が、サウナにもアウトドアにもありますよね。ファッションだってそうじゃないですか、着ないとわからない。体験したうえで自分の言葉で語るという丁寧なプロセスが、売る側には求められているんだと感じます。

対話と体験と見える化

― 「サステナブル」などモノの過剰消費が問題視される時代ですが、お二人はどのような思いで市場と向き合っていますか?

佐藤:次から次へと出すビジネスモデルが本当にいいのだろうか?とはちょっと思ってますね。自分も含めてだけど、アイシャドウとかチークとかシーズンごとに新色を買っていたら、顔が何個あっても使いきれないですよ。プラスチック容器も増えますしね。そういう意味では、“なくてはならないもの”、“長く愛されるもの”、“自分の体調を本当の意味で整えてくれるもの”は、この先も需要がなくならないと思います。

北田:これだけ世界中にメーカーや商品があるから、みんな迷っちゃっている部分もありますよね。

佐藤:ブランド数が多いし、選択肢が広い。だから楽しいんですけど、どれが自分に合うのかがわからなくなり、結果SNSで誰かにおすすめを聞いて買う、という流れもできていますよね。イコール、自分で選べなくなってしまっていないかな?とも思うんです。

誰かのおすすめや口コミに頼るのではなく、もっと自分で試して「香りがいいな」とか「使い心地がいいな」とか、本能的にいいものを選り分ける力を身につけたいですよね。先ほどの「体験した上で」という話にも繋がりますが、実際に自分で体験を重ねた先に、本当に自分に必要なものが見えてくるんだと思います。

北田:サウナもどんどん新しい場所が増えてきていますが、いろんなサウナを体験したら、きっと違いがわかってくるのかもしれないですよね。どんなところにこだわりがあるのか、どんなサウナが自分には合うのか、とかね。昔からあるのに今も人気が絶えないサウナだって、確かにありますしね。

佐藤:美容も健康も、ウェルネスに関するものって、見た目や先入観だけでは選べないんですよね。だからこそ正しく伝える人との対話が必要だし、体験が必要だし、そのモノ自体の“背景の見える化”がより必要なんだと思います。

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