YURIE & SHUNSUKE vol.2 熟成するソトアソビ

YURIE & SHUNSUKE vol.2 熟成するソトアソビ

都心のマンションを離れ、原風景の残る里山に移住したユリエさんとシュンスケさん夫妻。“ソトアソビ”好きなふたりが選んだのは、季節を味わい尽くすログハウスでの暮らしだった。テントサウナを含め、庭の楽しみ方について伺った前編に続き、後編では家の中のこと、そして彼らの今後の計画についてアプローチする。

Photos/ PAK OK SUN

YURIEさん & SHUNSUKEさん

ユリエさんは、キャンプや旅、アウトドアを楽しみながら、その魅力を「ソトアソビ」というライフスタイルとして発信。連載記事の執筆や、ファッションや雑貨の商品企画・プロデュースも手がける。著書に『THE GLAMPING STYLE 〜YURIEの週末ソトアソビ〜』(KADOKAWA)がある。ご主人のシュンスケさんはソトアソビを共有できるパートナーであり、長けた空間プロデュース力で仕事の域を広げてくれる大切な存在。
Instagram @yuriexx67
公式サイト www.yuriexx67.com

キャンプで培った創造性

外観はもちろん、お部屋の中も2人のセンスや趣味がいっぱい詰まっていますね。

シュンスケ:これまでたくさんキャンプをして、快適に過ごすためにDIYもたくさんしてきたから、ノウハウはあるんですよね。だからこの家も、大工の友達と一緒に、自分たちでリノベーションしたんです。

ユリエ:結婚する前、私たちはキャンプで“プチ同棲”みたいな感じを楽しんでいたんですよね。一緒に住んでる感、みたいな。だから毎回、引越しかってぐらいの量の荷物を車パンパンに積んで行ったり、キッチン台やら棚やら、いろんなものをDIYで作っていたんです。

シュンスケ:自分たちで家を建てるような気持ちでしたね、それが楽しかった。テントの中や周りをいかにかっこよくするかをいつも考えていましたね。

ユリエ:だけど一泊で帰る、みたいな(笑) おかしいよね。でも、あれはあれで楽しかった。のちに結婚して、今度は車内で寝泊まりできるようにバンをDIYし始めたら、大きなテントとか、持っていく道具がかなり減ってきて。今は必要最低限のものだけ、キャンプスタイルはすごくシンプルになったような気がします。

シュンスケ:そしてこのログハウスと出会ってからは、ここの内装やインテリアづくりに没頭しました。家を借りてから3ヶ月間は、東京の家と往復して少しずつ作っていった感じです。だから荷物も引越し業者を使わず、ちょっとずつ自分たちで運びました。

ユリエ:計画性なさすぎて、気付いたころには繁忙期で誰もやってくれなかったのもあるけど(笑)

元々あったログハウスを、どのように自分たちらしく変えていきましたか?

ユリエ:ライトは全部変えましたね。たとえばリビングルームには、元々大きなシャンデリアが付いていたんですが、私が前から憧れていた大きな球体のライトに変えました。高い天井がないと吊れないほど大きいので、吊り下げる間際までシュンスケは「大丈夫?」って心配になっていましたけど(笑) いざ吊ったら部屋の雰囲気がすごく私たちらしくなって。これに合わせて彼が家具を選んでいったって感じです。

それから、キッチンは元々茶色だったんですが、視覚的にも重たかったので、白く塗らせてもらいました。味は残したかったので、新品のキッチンにするのは嫌だったんですよね。穴を開けてキッチンツールを吊り下げられるようにもしました。

あと屋根裏に絨毯が敷かれていたので、大家さんに許可をいただいて剥がして、木の無垢な質感を出すようにしました。ここでは本を読んだり、映画を観たり、たまに仕事したり。友達が泊まりにくる時は、ここにキャンプのベッドを置いて、寝る部屋として使ったりもしています。

そして、大量にあるアウトドアグッズの収納部には、棚を作り、探し物を見つけやすい構造にしました。東京に住んでいた頃はトランクルームを借りていたんですが、それでも入りきらず車の中にも置いてたら、どこに何があるのか分からなくなっちゃったんです。寝袋もシュラフもそれぞれ思い入れのあるものだし、また大事に扱えるようになってよかったなって思います。私が好きな60年代や70年代のヴィンテージギアを壁に掛けてみたら、ショールームのような雰囲気にもなりました。

自然の中で映えるのは「不揃い」

家の中を見渡すと、個性的な家具やオブジェがさりげなく存在感を出していますね。

ユリエ:基本、インテリアやアートに詳しいシュンスケがピックアップして、その中から一緒に選ぶ感じですね。これを置くべきか置かないべきか、結構本気でセッションして(笑) 「50cm? いや40cmか?」なんて、サイズへのこだわりもとことんです。だけど2人ともアウトドアが好きっていう共通点があるので、最終的に心地いい空間に着地するんです。

シュンスケ:この家は特に、周りの自然とのバランスを考えましたね。自然に囲まれていると正直、人工物を欲しくなったりするんです。逆に都会にいると、「あ〜、自然感じたいな」なんて思うんですけど。要は、目の前にない逆のものを人は求めちゃうんでしょうね。だけどそれも一理あって、人がハンドメイドで創った造形物って、自然背景にすごく映えることに気づいたんです。

ユリエ:美術館に行くと、自然が多かったりするもんね。人が創ったものと、ありのままの自然がつくる「コントラスト」が良いんですよね。

シュンスケ:そうだね。たとえば、ログハウスにはガラスが合うなと思ったんです。木の温かみのある質感に、あえて硬質なガラス小物を合わせるんですが、それもどこか不揃いでいびつなフォルムの方がマッチするんです。計算されているようなされていないような、歪んだ曲線が似合うんですよね。

またリビングルームには、長野の「haruta」という北欧ヴィンテージ専門店で見つけたフラワーテーブルを置きました。これだけで見るとかなりユニークなデザインなんですが、部屋の中心に置いてみると全体を個性的にまとめてくれた気がします。

大量生産されたアートより、ちょっと歪んでたりするアシンメトリーなものや個性的なデザインが自然にマッチするんだと、ログハウスの空間作りをやって気づいたことですね。ちなみに、近くの道の駅で買ったバターピーナッツだって、オブジェになっちゃうんです。自然が作る計算なしのフォルムは、見ていて飽きないですからね。

ユリエ:基本的に画一的な空間ではなく、自由な自然環境の中での家づくりはやりがいがありますね。こうしよう、ああしようっていうアイデアが本当に楽しい。

シュンスケ:そうだよね。僕は、いつか自分でログハウスを設計してみたいな、なんて思っています。こうして一回住むと、都会のマンションに住みながら誰かにオーダーして、というのとは全然違うプロセスになっているんだなと感じます。知識だけでは創造できないなと。良さも改善点もわかるし、ものづくりは経験がすべてなんですよね。

さあ、次はどこへ行こうか?

2人はたくさん旅もしてきましたよね。もっと自由に動ける日が来たら、これからも旅は続けますか?

ユリエ:どっちも旅が好きだから、動けるようになったら、またいろんなところに行ってみたいですね。私は今、日本の国立公園を制覇したいなと思ってて。北海道の利尻とか西表島も行きたい、屋久島とか国立公園も行ってないところが多いから行きたいな。それから日本各地のサウナも巡ってみたいです。

シュンスケ:川や湖に飛び込めるサウナ地は行ってみたいですね。今は出張先でも、サウナを見つけたら入ってます。サウナに出会えたことで、旅の楽しみが1つ増えた気がします。

ユリエ:キャンプを始めて、手軽に非日常感を味わえてリラックスできる「ソトアソビ」にハマった私たちとしては、サウナもその一つになりましたね。ログハウスでの暮らしだってそう。いつも、気持ちがリフレッシュできるものを選ぶのが、私たちらしいのかなって思います。だからこの先だって、自分たちの居場所やライフスタイルがどうなるのかはわからない。決めつけず、感覚を信じていきたいなって思います。

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