サウナシーンに必要なのは、その効用をより効果的にサポートし、心身・環境ともにヘルシーでいられる良質な「サウナコスメ」。SAUNA COSMETICSには、そんなこだわりを叶える“オーガニック”な秀逸アイテムが登場した。といっても、「オーガニック」について漠然と知る人も多いだろう。そこで今回、商品セレクトにご協力いただいた「マッシュビューティラボ」の副社長であり、自身もサウナを愛する椋林裕貴さんに、サウナとコスメを通して考える、これからのオーガニック観について、お話を聞いてみた。
サウナで始めるオーガニックという『選択肢』
−−椋林さんもサウナ好きと伺っていますが、「サウナコスメにあるべきポテンシャル」について、どのような考えがありますか?
サウナって、熱によって人間そのものの力で発汗できる、すごくオーガニックなものなんですよね。特に薪サウナは電気を使わず、石を温めることで空間を温めるし、場所によっては水風呂として目の前の川や湖でクールダウンできる。突き詰めれば、自然界に存在し得るものだけで成り立つ、究極にヘルシーな世界なんです。ところが、まだまだ日本のサウナには、シャンプーやボディソープは化学的なものを置いている場所も多く、体内や排水で外へと流れるものに対しては、健康や自然への配慮が足りていないなと感じることが多くあります。
おそらくですが、先進国と言われる約50ヵ国の中でも、日本のオーガニック意識はかなり下位にあるじゃないかなと感じます。たとえば、「エコ」という言葉ひとつとっても、日本では「エコ=省エネ、節約」というイメージが定着していますが、ニュージーランドやドイツには「エコ=環境配慮」という認識が一般的にあるんです。だから消費者が物を買う時でも、「環境に配慮している商品かどうか」を見る習慣がついている。一方、日本の場合は、いかにお得なのかを見定めるために「プライスを見る」のが一般的。だからこそ、オーガニックがまずは「選択肢」として、日本中に広がることが必要なんじゃないかな、と思います。既存の価値観に取って変わるっていうのではなく、まずは「選択肢」としてあると良いなと。
自然の中でキャンプを楽しんでも、その場を去った後がゴミだらけになってしまえば自然環境は壊されてしまう。すべては循環しているんですよね。サウナもせっかく自然の恵みを味わえる場所なのだから、体内にも自然界に戻しても心地よいコスメがあるといいんじゃないかなと思うんです。オーガニックという選択肢が、サウナシーンを通じてインプットされていケアたら最高。本当の意味で「ととのう」っていうのは、未来に対しても、ととのっていけることだと思うんです。
作り手から使い手に正しく届けたい
−−マッシュビューティラボは、企業体としても “オーガニックライフを選択肢に”というメッセージを送り続けていますよね?
そうですね。僕らが実践しているのは、オーガニックな生活必需品を身近な存在として届け、それらを選択肢の一つに加えてもらうことなんです。
たとえば、今回SAUNA COSMETICSに選んでいただいた『エコストア』は、ビオなプロダクトを気軽に手に取ってもらえたら、という想いで、ニュージーランドから取り入れた生活用品ブランドです。肌や髪や体に安心なプロダクトであることはもちろん、部屋に置いても絵になるパッケージデザインだから、普段から気軽に使ってもらえると思います。
同じくSAUNA COSMETICSに選んでいただいた『エッフェオーガニック』も、ごほうびコスメではなく、自分自身が元来持っている自信を引き出す毎日のパートナーコスメとして誕生したブランド。どちらも、いかに人々の日常の中にフィットできるかを考えて作られています。
また、オーガニックなものには、それが生まれた背景にきちんと物語があるんですよね。僕らは、オーナーや生産者がもつその考え方を大切したいという信念もあります。ただの稼ぎのために作るブランドは、扱いたくないというのが基本。「奥様のために作ったものなんだ」とか「成分を育む畑が伝統として美しく守られているんだ」とか。『エコストア』も、自分たちの暮らす集落のために作ったプロダクトなんです。商品が生まれたバックボーンに触れ、そこにある信頼性を重んじること、そしてそれを伝えること。それが僕らの役目だと考えています。
結局、オーガニックってなんだろう?
−−お話を伺っていると、オーガニックは想像以上に身近なものなんだなと感じます。
僕はよく、「オーガニックって何だ?」という話になった時、「自然界の約束を守ることだ」と話すんです。生態系サイクルを考えたら、人間だけが幸せになろうとか繁栄しようという考えには違和感があるし、サスティナブルじゃないんですよね。自然界に存在し得るもの同士で何かが生まれて、食べ物になったりコスメになったりするほうが、“心が美しく”いられるんじゃないかと思うんです。「私たちは搾取してません」という暮らし方をしていれば、後ろめたさはきっとないはずだから。
サーフィンやスノーボード、キャンプ、釣り…。アウトドアで思いっきりアクションするように、サウナも自然環境から多分に恵みをもらえるカルチャーだと思います。サウナをきっかけに、自然と共存、共栄できるものに触れ、心を美しく保つことができたなら、その先のあらゆる生活シーンで、オーガニックという選択肢が広がっていくのではないかなと思います。
一過性のブームではなく、価値概念を変わっていく「ムーブメント」となるように。サウナシーンから派生するオーガニックという考えに、大いに期待しています。
椋林裕貴(むくばやし ひろたか)
株式会社マッシュビューティーラボ取締役副社長、株式会社マッシュホールディングス執行役、CSR室 室長。株式会社エコストアジャパン代表取締役社長。百貨店を経てブランドプロデュース業、IT業界を歴任する傍ら、2006年よりナチュラル&オーガニックの現コスメキッチンを当時のメンバーと創業。現在はBiopleやCelvoke、F organics、ecostoreなど多岐に展開。
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